• 耳を澄まさぬ表現者たち

  • 伝統を世界に届けていたのは

    耳の聞こえない表現者たちだった

    日本の伝統芸能を世界に広めているろう者がいる。その事実に突き動かされた藤井秀剛監督の「世に伝えねばならない」という衝動が本作を制作する発端になった。40年もの歳月を手話と手話狂言に捧げてきた黒柳徹子の情熱。彼女との出会いを通じて見えてきた「言語」としての存在意義。しかし物語は単なる感動の記録では終わらない。辿り着いたのは、ある一つの切実な疑問。本作は、手話の魅力を喧伝(けんでん)するためだけの映画では決してない。

    心耳とは?

    心で聞き取る事

  • INTRODUCTION

    日本の文化と伝統を

    世界へ繋げる手話の縁

    黒柳徹子の発案で始まったろう者による手話狂言の活動は、40年以上。その活動は、密かな人気で、チケットは常に完売。海外公演も行い、日本の伝統芸能を世界に広げている。果たして手話狂言の魅力とは何か?また、元来の狂言との違いは何か?そして、そんな手話狂言は、世界でどう映っているのか?本作では、フランスで上演した『瓜(ウリ)盗人』の貴重な映像の一部に加え、関係者の話などを通して、手話狂言の真価を検証する。

    インタビューに出演するのは、半世紀近い手話狂言の活動を黒柳徹子と共に支えてきた日本ろう者劇団の創立メンバーの一人である井崎哲也と、その代表である江副悟史。更には、和泉流狂言師の三宅近成に加え、様々な方々の貴重な話を紹介。作中では、インタビュー映像の他、厳しい稽古の様子や舞台裏まで潜入し、初々しい少女たちの貴重な生の映像も捉えた本作は、世界最大級の芸術祭であるクラン・ドゥイユ芸術祭にて見事、最優秀ドキュメンタリー映画賞にノミネートされている。監督は、香港映画『怨泊』や『狂覗』で日本の闇を描き、世界三大ファンタスティック映画祭のひとつであるブリュッセル国際ファンタスティック映画祭にて日本人初のアジア・グランプリを受賞した藤井秀剛。得意の社会性を交えた作風を生かし、念願であるドキュメンタリーに初挑戦した。

  • 上映劇場インフォメーション

    【東京】

    シアターイメージフォーラム

    【横浜】

    横浜シネマリン

    【京都】

    アップリンク京都

    【名古屋】

    ナゴヤキネマ・ノイ

  • CAST & STAFF

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    黒柳徹子 TETSUKO KUROYANAGI

    エグゼクティブ・プロデューサー

    東京生まれ。トモエ学園から香蘭女学校を経て東京音楽大学声楽科を卒業しNHK放送劇団に入団。NHK専属のテレビ女優第1号として活躍。その後、文学座研究所、ニューヨークのMARY TARCAI演劇学校などで学ぶ。アメリカのTV番組、ジョニー・カーソンの『ザ・トゥナイト・ショー』など、多くの番組に出演。また、タイム、ニューズウイーク、ニューヨーク・タイムス、ヘラルド・トリビューン、ピープルなどに日本の代表女性として紹介される。日本初のトーク番組『徹子の部屋』は50年目をむかえる。著作『窓ぎわのトットちゃん』は800万部のベストセラー日本記録を達成。アメリカ、イギリスなどの英語圏、ドイツ、ロシア、中国語圏、アラビア語圏など、20以上の言語に翻訳される。日本語版の印税で社会福祉法人トット基金を設立。プロのろう者の俳優の養成、演劇活動、手話教室などに力を注ぐ。ユニセフ(国連児童基金)親善大使としてアフリカ、アジアなどを訪問。メディアを通してその現状報告と募金活動などに従事。日本ペンクラブ会員。ちひろ美術館(東京・安曇野)館長。東京フィルハーモニー交響楽団副理事長。日本パンダ保護協会名誉会長など。文化功労者。

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    藤井秀剛 SHUGO FUJII

    監督

    小学3年生から映画製作を始め、子役としても活躍。中学卒業後、単身渡米。カリフォルニア芸術大学卒業。10年の米国生活を経て、帰国後、2500本の脚本の中から、音楽プロデューサー、つんく♂氏に見出され『生地獄』で監督デビュー。同作は、B級ホラーの巨匠ロイド・カウフマン氏に『最高のホラー監督』と評価を得るなどカルト作品としてヒット。2017年公開「狂覗」は1週間のレイトショーに始まり、ロングラン。キネマ旬報から年間ベストにも選ばれカルト化。「超擬態人間」では、世界三大ファンタスティック映画祭の1つである、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭において見事日本人初のアジア・グランプリを受賞。香港スター、ジョシー・ホーと組んだ香港映画「怨泊」では、香港初登場3位を記録。全世界で公開される。過激な内容と描写を通して描く人の恐怖に社会性を盛り込む作風でコアなファンを中心に支持を得ている。近年では、パルマ・ヴァーサス国際短編映画祭の代表であり、プログラマーとしても活動し、日本で馴染みのない海外諸国の映画を日本に紹介する活動にも力を入れている

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    中澤美彩季 MISAKI NAKAZAWA

    音楽

    ヘビーメタルバンドのギタリストとしてキャリアをスタート。国内・ヨーロッパを中心にライブ活動、また多数の楽曲制作・リリースを行う。作曲を作曲家の阿藤芳史氏に師事し個人教授を受け、現在様々な音楽ジャンルの作編曲や映像音楽制作を行っている。

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    三宅近成 CHIKANARI MIYAKE

    狂言師

    能楽師狂⾔⽅和泉流。1985年、重要無形文化財保持者・三宅右近の次男として生まれる。父に師事。祖父は人間国宝・故九世三宅藤九郎。3歳で「柑⼦俵」にて初舞台に出演して以来、「三番叟」「釣狐」「⾦岡」「花⼦」といった秘曲、⼤曲を披く。狂⾔⽅としての活動の他にも、落語やミュージカルとのコラボレーション企画をプロデュースする。また⼿話狂⾔には⾃ら⼿話を⽤いて⽇本ろう者劇団の指導にあたり、手話能では間狂言で出演している。公益社団法人能楽協会会員。

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    井崎哲也 TETSUYA IZAKI

    日本ろう者劇団設立メンバー

    日本ろう者劇団顧問、俳優
    佐賀県出身。1980年「日本ろう者劇団」設立メンバー。トット文化館手話教室講師
    東京ホワイトハンドコーラスNIPPON手話指導
    NHK「静かちゃんとパパ」同窓生役として出演

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    江副悟史 SATOSHI EZOE

    日本ろう者劇団代表

    日本ろう者劇団代表。東京都出身。1986年生まれ。2008年に社会福祉法人トット基金「日本ろう者劇団」に入団。手話狂言や自主公演などに出演。2010年3月までNHKこども手話ウィークリーのキャスターを務める。現在、俳優、手話弁士、キャスターなど幅広く活動。東日本大震災を通してボランティアを集め、情報格差を埋めるためにDNN(デフ・ニュース・ネットワーク)を設立。ろう者たちに手話で震災に関する情報を提供した

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    森山みつき MITSUKI MORIYAMA

    女優

    2021年[「共振」で映画デビュー。「死後写真」ではSipontum Arthouse International Film Festivalにて

    最優秀女優賞を受賞。2023年公開の長編初主演映画「野球どアホウ未亡人」は映画秘宝 ベストアクトレス2023にランクイン。Kouji Uehara監督作品2度目の出演となる「ゴリラホール」他、多数の作品公開が控え、女優として今一番注目されている女優。

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    越智貴広 TAKAHIRO OCHI

    俳優

    「キッズウォー」でデビュー。初主演作となる映画「半狂乱」は、アメリカで劇場公開される。以後も「猿ノ王国」やネットシネマ他、多くのCMやドラマで活躍している。